近畿地方のある場所について

きんきちほうのあるばしょについて

『近畿地方のある場所について』(きんきちほうのあるばしょについて)は、日本のホラー小説(モキュメンタリー形式)。著者は背筋。もともと小説投稿サイト「カクヨム」で連載され、書籍化・漫画化・映画化もされている作品である。

近畿地方のある場所について

あらすじ

フリーライターの「私」は、近畿地方にまたがる正体不明の「ある場所」に関する怪異の情報を収集しているうちに、「友人であり編集者」の小沢がその地へ向かった直後に行方不明になってしまう。

「私」は雑誌記事やネット掲示板の投稿、読者の手紙など多種多様な資料を引用・構成しながら、怪異の謎と友人の行方を追う形で物語が展開する。場所の固有名詞はすべて伏せられており、読者にその場所を推理させる謎めいた構成となっている。

特徴・構成

実在と創作の狭間を漂う“モキュメンタリー”(fake documentary)形式で構成され、読者の没入感を高めたスタイルが特徴である。

近畿地方の複数の地域にまたがる「ある場所」を敢えて特定せず、読者自身に想像させる手法を使用。これが“読者主体の恐怖体験”を誘引する仕掛けとなっている。

未解決事件やオカルト報道、ネット怪談などを文書から抽出・再構成し、現実性と悪意を同居させた世界観が高く評価された。

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